鎌倉芸術館

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ギル・シャハム 鎌倉芸術館 独占インタビュー(全文)

超絶的なテクニック、そして感性と知性、ユーモアを最大限に引き出す音楽で世界中を魅了する名ヴァイオリニスト、ギル・シャハム。幼少より数々の巨匠たちから「神童」と呼ばれた彼も、今や円熟の域に達し、より深みを増した音楽世界は極みの境地を超えています。そんな卓越した世界を創り上げるギル・シャハムに、鎌倉独占インタビューを行いました。


■ヴァイオリンを習い始めたきっかけは?

私が7歳の時に兄がピアノを始めました。(妹もいるけれど)その兄が音楽を始めた事に私は嫉妬し、楽器を演奏したかったけれど同じピアノを弾きたくなかったのです。当時、家にはピアノとヴァイオリンがあったので、それで後者を選びました。楽器は両親の楽器です。でも、二人が演奏している記憶は一度くらいしかありません。ヴァイオリンは子どもが演奏するのは難しい楽器で、両親はあまり喜んでいませんでした。まるで黒板を引っ掻くような嫌な音しか出せなかったけれど、母親がいやがれば嫌がるほど、子どもというのは演奏したくなるのですよね。


■ご両親はどちらも学者ですね。

両親は二人とも科学者です。私の兄は同じ道を進みました。ですから夕食を囲む会話に付いていくのは大変です。私は音楽家になりました。


■ご自身もジュリアード音楽院以外にコロンビア大学でも学ばれていますが、何を専攻していたのですか?

数学です。独自に勉強したいと思いました。でも、今、演奏に使用しているヴァイオリンを購入したくて同時期に仕事を始めたので最終的には卒業しませんでした。


■さて、今回のリサイタル・プログラムのコンセプトは?

つい先日もアキラ(江口玲さん)とリハーサルをしていたけれど、当初予定していたプログラムの曲目から少し変更をする事にしました。基本的にはJ.S.バッハとシューマンの編曲を主として組んでいます。この10年間の演奏活動の中、私はバッハに焦点を当ててきました。もちろん演奏家として若い頃から勉強してきましたが、一時期バッハを演奏するのを辞めたんです。その理由はバッハに対して、聴く人も演奏する私自身もあまりにも思入れが強すぎるからです。その期待に応えられないという思いから、避けていたのですが、10年ほど前に改めて挑戦したくなりバッハを演奏するようになりました。それによって「バッハを演奏する事ほどの幸せは無い」(there is no greater joy than playing Bach)という事を発見しました。
そしてバッハを基に多くの作品がこの世に生み出されました。モーツァルトはバッハの音楽を勉強しにライプツィヒに行きバッヒアン(Bachian?) になり、ベートーヴェン、ショパン、シューマン、ストラヴィンスキー、プロコフィエフ等々、多くの演奏家の音楽の根源はバッハにあります。その考えを基に今回のプログラムはバッハの影響を受けた後の世代、今回はシューマンを組み込みました。


■共演する江口玲さんは、どのような存在ですか?

私はアキラと長年の交流があります。もうすぐ30年なるのではないんじゃないかな。私の年齢を考えると凄いですよね。初めてアキラの演奏を聴いた時、「素晴らしい音楽家だ」と思い、一緒に演奏したいと思いました。その後、一緒に活動を続けるとともにお互いに成長してきたと思います。おそらく、初めて会った時、私は15か16歳でした。彼は素晴らしい芸術家であり、とても特別な存在で、私は彼と共演できる事を大変光栄に思います。


■シャハムさんの音楽を聴く方、そしてコンサートを聴きにくる若い音楽家は、貴方がどうしてこうも、いとも簡単に演奏するのかと知りたがっていますが、何か秘訣や特別な練習方法はありますか?

上手く演奏するのに特に秘訣や特別な練習方法はありません。
私にとって音楽家とは役者です。作曲家が紙に書いた音楽を演奏することが役割です。リブレットに命を吹き込み、作曲家の意図を解釈し伝えることが大切です。そして聴衆に音楽を提供することが使命です。


■本番で緊張することはありますか?

私はいつも緊張します。本番の前に自分を説き伏せています。「これから起きる事で、どんな最悪のシチュエーションがあるのか?」と自分に問いかけ、考えます。これだけ長い演奏活動をしてきたので実際に悪い事は起きたこともありますが、どうにか乗り越えてきたからこそ、今日があります。最終的には「これは音楽を演奏するコンサートだけであり、命に関わる手術を行う訳ではないんだ」と自分を説得して公演に挑んでいます。


■お子様には音楽を教えていらっしゃいますか?

とくに自ら音楽を教えてはいませんが、上の子は楽器を演奏し、楽しんでいるみたいです。二人とも音楽は好きですね。


■何か大切にされている言葉や格言などはありますか?

バッハが生涯の終わりの方で言ったそうです・・・
「私は仕事をするために存在する。同じだけの生産意欲があれば誰にでも出来た事である」
それは真実ではないと思いますが(誰にでも出来ることではない)、バッハは確かに大変な努力家でした。そしてこの言葉は彼の謙遜さが現れるので私にとって特別です。


■鎌倉でのリサイタルを楽しみにしているお客様にメッセージをお願い致します。

再び鎌倉のようなとてもスピリチュアルな場所(仏像やお寺など歴史的建造物の多く残る場所)で演奏できるのは私にとってもきっとインスピレーションがわくイベントであり、皆様にお会いし演奏をお届けするのをとても楽しみにしています。


写真:(C)Luke Ratray

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